
感想はネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
原題:Otesánek(Little Otik)
作品データ
- ジャンル:ホラーファンタジー
- 主な舞台:チェコ
- リリース:2000
- 時間:2h 12m
- キャスト:ヴェロニカ・ジルコヴァ(妻ボジェナ)ヤン・ハルトゥル(夫カレル)
- ディレクター:Jan Svankmajer
- IMDb:7.3
- rotten tomatoes:84%
あらすじ
チェコに伝わる古い民話をもとにした物語
不妊に悩む夫婦は、夫が見つけた赤ん坊のような形をした切り株を我が子のように育て始める。やがて成長した切り株は恐ろしいまでの食欲を訴え、人間をも食べるようになる。ようやく手に負えないと自覚した夫妻は地下室の箱に切り株を隠すが、夫妻の秘密に気づいていた隣人の娘が切り株を世話するようになる。
おちゃのま感想
本館の海外ドラマサイトのほうでお世話になっている、わたしの敬愛する海外ドラマ&映画の師匠Kさまから教えてもらった映画です。
教えてもらわなければ、わたしの人生にこの映画はなかったと断言できるほど、異彩を放つ作品でした。思うに、評価の高さが示しているように、この映画は様々な映画を見ている映画上級者が選ぶ作品なのでしょう。「配信サービスで月に1本程度」の初級レベルのわたしが手出しできる作品じゃありませんが、素人の視線で感じたことを記しておこうと思います。
まず、映像や演出など独特の手法については、監督のヤン・シュヴァンクマイエル氏について知らないわたしが語るべきではないと思うので、内容についてだけ触れたいと思います。
あらすじを読んでも「???」となってしまう作品で、とても解釈の難しい内容でした。感じたことは、風刺を恐ろしく込めた作品ということ。抑圧された時代へ遡ったような暮らしぶり、子どものいない夫婦を追い詰めてゆく世間、現実を受け入れられない夫婦の苦しみや自分本意な傲慢さ、見たいものだけ見る無関心さ、子どもの無邪気な悪意…などなど。映画本編を見ている最中はグロテスクな映像に圧倒されてしまい、内容まで深く考えられなかったのですが、一呼吸置いて自分なりに消化してみると、度肝を抜く映像や奇抜な物語の奥底に人間の深層心理や社会問題といった深ーいテーマがあるように思えます。
民話をもとにしているのなら、何か教訓があるはず。ということで、この物語から得られる教訓について考えてみました。オテサーネク(切り株)の底なし沼のような食欲が人間の欲望を表しているのだと考えると、オテサーネクを我が子として育てた夫婦の姿に「過度に求めすぎたゆえの悲劇」という戒めを感じます。
最後に、『オテサーネク』の内容とはまったく関係なく、わたしの個人的な思いつきなんですが、人を喰らう木(オテサーネク)って、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の中で、スプラウト先生が薬草学の授業で扱った“マンドレイク”(マンドゴラ)と似ています。根っこが人間型というところや、強烈な鳴き声など。ハリポタのマンドレイクと遠い親戚ならばと妄想し、グロさにビビっていた心が少しばかり軽くなりました。
この映画にはグロテスクな描写が含まれているので、観る上での注意が必要です。特に食事シーンはかなり強烈です。




