感想はネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
原題:Les héritiers(Once in a Lifetime)

作品データ
- ジャンル:実話
- 主な舞台:フランス
- リリース:2014
- 時間:1h 45m
- キャスト:アリアンヌ・アスカリッド(ゲゲン先生)アハメッド・ドゥラメ(マリク)
- ディレクター:Marie-Castille Mention-Schaar
- IMDb:7.1
- rotten tomatoes:ーーー
イントロダクション
生徒マリク役で出演しているアハメッド・ドゥラメ氏のかけがえのない経験から生まれた物語
教師歴20年を超えるゲゲンが新たに受け持った高校1年のクラスは問題山積で、崩壊寸前。多種多様な人種と宗教を背景にした生徒たちは良く言えば個性豊か。率直に言えば傍若無人。学校も見放した生徒たちに、ゲゲンは『1961年から続く歴史コンテスト』への出場という課外活動を提案する。今年のテーマは『ナチス強制収容所システムにおける子供と青少年』…この難しいテーマは生徒たちの意識を変え、人生観を変えてゆくことになる。
おちゃのま感想
真実の物語は尊い。実話だからこそ心に突き刺さり、何かが心に残ります。生徒役で出演しているアハメッド・ドゥラメ氏が実際に経験したこの物語を脚本にしようと思い立ったことで映画化され、フランスの教育を垣間見ながら生徒たちと同じように歴史の一片をたどり、そして心のなかには人生観が変わった彼らへの感動と、平和な世界をという思いが残りました。
映画は卒業する女子生徒の宗教的問題からはじまります。あえてこの話題から入った理由は、人種も宗教も異なる多種多様の生徒たちが集まる学校の困難な現状と、生徒たちそれぞれに異なる価値観があるという現実への理解を促すためだったように思います。
さて、主役はゲゲン先生が受け持つ1年生のクラスです。日本で育ち、平凡な学校生活を送ったわたしにとっては驚きの騒々しさ。しかし、そんな騒々しさの中にあっても、一歩クラスに足を踏み入れた生徒たちに人種や宗教の垣根はないように見えました。根本的な違いはあるのだと思いますが、クラスという小さなコミュニティで結ばれた絆と、その一員だという意識を感じずにはいられません。
「教えることが好き」と言うゲゲン先生の授業を見ていて感じたのが、先生の指導法は『生徒たちの中にある本人たちでさえ気づいてない可能性の原石を見つけ、それを輝かせる手伝いをする』ということではないかということ。押し付けるのではなく、サポート。人生は自分自身で切り開くものだから。
ゲゲン先生の生徒たちが挑んだコンテストは毎年テーマが変わるらしく、この年は『ナチス強制収容所システムにおける子供と青少年』というものでした。このテーマだからこそ、ゲゲン先生はコンテストへの挑戦を提案したように思えてなりません。現実にあった悲惨な時代の子供たちを通して、自分の未来に目を向け、いまというかけがえのない時間を無駄にしないでほしいという願いがあったのではないでしょうか。
この難しい挑戦は、将来への希望も期待もなく刹那に日々を過ごしていた生徒たちの人生観を変えるきっかけになりました。フランス人の魂ともいえる『自由、平等、友愛』の尊さを実感した生徒たちと、彼らを導いたゲゲン先生。あの騒々しいクラスの様子を思うと、これはまさに奇跡の物語です。

この映画はAmazonプライムで鑑賞しました。
最新の配信状況は各サイトでご確認ください。
彼らが挑戦したコンテストについてWIKIの抜粋を載せておきます
全国抵抗・追放運動コンクール(CNRD)
1961年に創設されたこのコンテストの目的は、レジスタンス運動と強制移送の記憶をフランスの若者の間で永続させ、そこからインスピレーションを得て、公民としての教訓を学べるようにすること。そして、このコンテストにより、若者たちが強制移送者やレジスタンス戦士と直接会う機会を得て、世代間の具体的なつながりを築くことができる。











