ベン・スティラー主演映画『くるみ割り人形と4人のキッズ』【感想メモ】

お読みいただく前に…

感想はネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

目次

原題:Nutcrackers

作品データ

  • ジャンル:クリスマスコメディ
  • 主な舞台:オハイオの田舎町
  • リリース:2024
  • 時間:1h 44m
  • キャスト:ベン・スティラー(マイク)リンダ・カーデリーニ(グレッチェン)
  • ディレクター:デビッド・ゴードン・グリーン
  • IMDb:5.5
  • rotten tomatoes:44%

あらすじ

事故で両親をなくした4人の兄弟と、里親が決まるまで4人を世話することになったおじマイク(マイケル)の物語。

シカゴで成功している独身貴族のマイクがオハイオの片田舎にある農場まで足を運んだのは、亡くなった妹夫婦の事務的な用事を済ませるためだった。サインするだけで簡単に終わると考えていたマイクを待っていたのは、里親が見つからない甥っ子4人だった。里親が決まるまで甥っ子たちの面倒を見ることになったマイクは携帯の電波も届かない農場で暮らしながら、不慣れな子育てをすることになる。やがて、マイクの人生は一変してゆく。

おちゃのま感想

ベン・スティラー主演の『くるみ割り人形と4人のキッズ』

序盤は農場育ちで自宅学習の少年4人のワルガキぶり(それ犯罪なんじゃ?と思ういたずらの数々)にドン引きしてしまったのですが、終盤はホロリと涙して、温かいものが心に残る。そんな素敵な映画でした。

独身貴族で都会派マイクがまるで過去にタイムスリップしたような農場で暮らし、交流さえなかった粗野な甥っ子たちの面倒を見る。・・・と書くと、ありふれた内容のように思えますが、この映画はその“ありふれた”から距離を置くことにこだわってる印象です。

例えば、笑いを誘うおもしろシーンを期待したくなる、マイクと甥っ子たちの農場での暮らしぶりはドタバタに終始せずに総じて淡々としており、「クリスマス映画だし、このふたりは恋に落ちるはず」と予測してしまう、マイクとグレッチェンもそうはならず。両親を亡くした兄弟たちが涙にくれることもなく、感情をグィグィおしつけてくることもない。

あえてフラットに。そんなところが単調に感じてしまうのかもしれませんが、特別なことがないからこそマイクと兄弟たちの心情に思いを馳せながら視聴することができたように思います。

広い農場に取り残された兄弟4人の悲しみや不安、かつては親友だった妹と疎遠になってしまっていたマイクの哀しみ。言葉にすることはないけれど、その表情やしぐさの端々から伝わる彼らが共有する感情が心に響く美しい演出でした。これは行間を読む映画かもしれません。

そんなこだわり演出のクライマックスは、次男創作のくるみ割り人形のバレエシーン。このシーンが陳腐にならなかったのは、やんちゃ兄弟が実際にバレエのレッスンを受けてるということと、クララ役の女の子(長男のガールフレンド)がかなり踊れる子(ちょっとじゃなく、かなり!)だったから。

パパとママのために踊る甥っ子たちを見守るマイクが涙を浮かべながら苦笑するのですが、あれはきっと築き上げたキャリアを捨てるほど甥っ子たちを愛おしく思う自分に気付いたから。いかに甥っ子を愛しているのか自覚するマイクや、僕たちを見捨てないでと口に出せない長男に、わたしのゆるめの涙腺からポロポロ…でした。

さて、この映画をチョイスしたきっかけは、出演者にリンダ・カーデリーニの名前を見たからなんですが、どちらかというとリンダ・カーデリーニ演じるグレッチェンは出番少なめで、そこは少し残念ポイントでした。

最後に。驚いたのが、兄弟4人組は実生活でも(本当の!)兄弟で、これが初演技だったとのこと。あの生き生きとした演技は彼らの素顔だったのかも。彼らのお母さんとディレクターが友人ということで、4人揃って俳優デビューしちゃったらしいです。

この映画はDisney+で鑑賞しました。
最新の配信状況は各サイトでご確認ください。

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